※桜えび煎餅全国販売期間:2026年4〜5月限定販売予定/グランドキヨスク静岡、プラスタオンラインショップ等では通年購入が可能です。
※製品中のえびに占める駿河湾桜えびの割合は10%です。

袋を開けた瞬間、ふわりと広がるのは、さわやかで香ばしい桜えびの香り。
一口、また一口と噛みしめれば、その小さな身に秘めた上品な甘みが、舌の上でほどけていきます。
桂新堂の隠れた名品、静岡・駿河湾の生桜えびを使った「桜えび煎餅」です。
2025年に桂新堂が開催した「炙り焼き総選挙」では、地域限定・数量限定作品ながら、第3位という快挙をみせた逸品。
これまで静岡でしか出合えなかったこの「桜えび煎餅」が、2026年の4・5月限定で、全国の皆さまのもとへお届けできることになりました。
なぜ、これほどまでに人々を惹きつけるのか。
なぜ私たちは、この小さな一尾に情熱を注ぐのか。
その背景には、静岡・駿河湾の奇跡と、大切な資源を守り抜こうとする人々の祈り、そしてその希少な素材に真正面から向き合った、職人たちの強い志がありました。
駿河湾の宝石、その誇りと未来への光

富士の麓に広がる、国内唯一の“桜えびの聖域”、駿河湾。
この海域の、由比漁港と大井川港の二港でのみ、日本で唯一桜えび漁が許可されています。
漁期は、資源保護と品質維持のために定められた、3月中旬から6月初旬までの「春漁」と、10月下旬から12月下旬までの「秋漁」の年2回のみ。
漁業者全員が一体となって出漁日や日毎の漁獲量を定めるなど、未来を見据えた厳格な資源管理のもとで、この伝統は守られています。
駿河湾は日本で最も深く、その水深は2,500メートルにも達します。
この特殊な地形が生み出したのが、高品質な「駿河湾の桜えび」です。

漁船が出航するのは、日が沈む前の午後6時頃。
日中は水深200m以下で生活する深海性の桜えびですが、日没前から海面近くまで上昇する習性を持つことから、この時間から漁が行われています。

二艘の船で網を引く「船びき網」という漁法で、大切に水揚げされる桜えび。
熟練の技を要するこの特殊な漁法により、個体の傷みや劣化のリスクを最小限に抑え、高鮮度・高品質な状態での水揚げを可能にしています。
さらに、漁獲直後から行われる急速冷却など、徹底した衛生管理体制により、その繊細な風味や鮮やかな桜色を守っています。

透き通った体に散りばめられた、可憐な桜色の斑点。
月光を浴びて輝くその姿はまさに、「駿河湾の宝石」の名にふさわしい、神々しいまでの美しさを湛えています。
不漁の苦難を越え、この一枚に宿る「復活の物語」
しかし、この豊かな駿河湾の恵みは、決して永劫不変ではありません。
海洋環境の変化などの複合的な要因が重なり、近年、桜えびの漁獲量は激減しています。
一時は全盛期の数分の一にまで落ち込み、さらに資源枯渇の危機に直面した2018年には史上初の「秋漁全面中止」という厳しい決断が下されました。
漁師にとって「漁に出ない」という選択は、まさに死活問題に直結します。それでも彼らは、未来の駿河湾のために、苦渋の思いで網を置くことを選んだのです。
この記録的不漁を機に、主な産卵場である湾奥への「保護区」の設定や、漁を行う隻数、網を入れる回数の制限など、漁業者による極めて厳格な自主規制が強化されました。
漁業者全員が一丸となって海を休ませ、桜えびを育むという、その祈るような思いで続いた取り組みは今、確かな実を結びつつあります。
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2020年には約128トンだった年間水揚げ量は、2023年には約500トンへと回復。
2025年の秋漁では、不漁による全面中止(2018年秋漁)から再開して以来、最多の漁獲量を記録しました。
漁港には再び活気ある競り声が響き渡り、漁業者たちからも「ひと安心した」と安堵の声があがっています。
私たちが手にする一枚の「桜えび煎餅」には、この苦難を乗り越えた復活への歩みと、駿河湾の誇りを守り抜く人々の静かなる闘志が刻まれているのです。
真正面から素材と対峙し、見つけ出した製法

桜えびの希少価値が年々高まり、仕入れ値も高騰を続ける厳しい状況のなかでも、私たちは桂新堂にしかできない「桜えび煎餅」を追求したいと考えました。
世に出回っている加工品の中には、粉末や香料で風味を補うものも少なくありません。
しかし、私たちが叶えたいのは、駿河湾が育んだ希少な桜えびの「素材本来の鮮烈な味わい」を届けること。
大切な命をいただいている以上、一尾たりとも疎かにせず、本物の風味を、本物のままに届けることこそが、私たちの誇りです。
この「桜えび煎餅」をさらに進化させるべく、製法をもう一度ゼロから見直しました。

主役となる原材料は、駿河湾の「生桜えび」。自社工場で火入れ加工を行なっています。粉末や香料には、一切頼りません。
桜えびは、加熱することで甘みと旨味がさらに増す特徴を持っています。
その一尾一尾に秘められたポテンシャルを最大限に引き出すために見つけ出したのが、独自の「火入れ」でした。
桜えび煎餅の最大の魅力は、口に含んだ瞬間に広がる繊細な甘みと、鼻に抜ける香ばしさの両立にあります。
しかし、短時間で効率よく焼き上げようとすれば、繊細な甘みが熱に負けてしまいます。かといって温度が低すぎると、芳醇な香ばしさは生まれません。
幾多の試行錯誤の末に辿り着いたのは、水分を急激に飛ばさぬよう「遠火でじっくり」と時間をかけて焼き上げる、新しい火入れ方法。
この手間を惜しまぬ工程により、生桜えびならではのやわらかな甘みを保持したまま、目の覚めるような香ばしさを引き出すことに成功したのです。
さらに、味の輪郭をより鮮明にするため、塩味と香辛料の配合を細かく調整。生地を撹拌(かくはん)する工程も改めて見直し、味わいに芯のある印象を目指しました。
袋を開けた瞬間に立ちのぼる香り。
食べた瞬間にふわりと鼻をぬけていく香ばしさ。
そして噛みしめるほどに溢れ出す、濃厚でいて上品な桜えびの甘み。
ひと口、またひと口と食べ進めるごとに、桜えびの存在感がより明確に、より贅沢に感じられる、そんな“極みの一枚”が、ここに完成したのです。
駿河湾とあなたをつなぐ「桜えび煎餅」を全国へ

これまでこの「桜えび煎餅」は、静岡県内のみでの地域限定販売でした。
知る人ぞ知る隠れた名品ながら、2025年に行われた「炙り焼き総選挙」では、全国展開されている数々の定番作品が並ぶ中、なんと総合3位という快挙を成し遂げました。
静岡のお客様の応援と総選挙をきっかけにファンになってくださった方の熱烈な支持が、この輝かしい結果につながったのです。
こうした経緯もあり、「さらにおいしくなった桜えび煎餅をたくさんの方々にご紹介したい。」という想いのもと、期間限定で全国販売させていただく運びとなりました。
駿河湾の美しい海を。漁師たちの不屈の精神を。
そして、日本の伝統的な「本物の味」を、一枚の煎餅を通じて繋いでいく。
ほんの微力ながらも、私たち桂新堂はそんな使命感を胸に、誇り高きこの一枚を全国の皆さまの元へお届けしてまいります。
効率よりも、おいしさを。妥協よりも、職人の誇りを。
素材に対しても、お客様に対しても、どこまでも誠実であり続けること。それが、創業から続く私たちの変わらぬ誓いです。
駿河湾の潮騒と、職人の熱い想いが詰まった“本物の風味”を、どうぞ心ゆくまでお愉しみください。 皆さまの「おいしい!」というその笑顔が、駿河湾の豊かな未来を照らす、一筋の光となることを願っています。