桂新堂代表作品「車えび姿焼き」について

    

桂新堂を代表するえびせんべいである「姿焼き」。

えびの姿そのまま焼き上げた桂新堂の姿焼きは、1988年に誕生して以来多くのお客様に愛されてきました。

令和になった今でも人の手で一尾一尾下処理をして、鉄板に並べ焼き上げる。
とても手間のかかるお菓子です。

本日は姿焼きの1つ「車えび姿焼き」がどのように作られているのか、工場での生産の様子をお届けします。


車えびの入庫・ツノ折り

愛知県大府市にある桂新堂手焼き工場では、車えびの入庫から1日の生産が始まります。


使用するのは沖縄や九州で水揚げされた、養殖の車えび。
多い時では1日で150kgの車えびを仕入れています。

 

納品された車えびをコンテナに移して水を切り、頭の角を折る作業に取り掛かります。

 

↑ポキッと折った車えびの角。

姿焼きの生産工程は人の手作業が多いですが、ツノ折りのような地道な作業も人の手で行われています。
えびせんべいとして食べた際に口の中が傷つかないようにするため、一匹ずつ手早く折っていきます。


ミソ取り

ツノ折りが終わった後、えびを半身にスライスしてミソや背ワタをピンセットで取り除きます。 これも一尾一尾、人の手作業で行います。

↑ミソ取りをする前
↑ミソ取りをした後

余計な部分を丁寧に取り除くと、実に美味しそうな半透明の身が。
ミソや背ワタが残っていると、焼いた時に焦げついて苦味の原因になってしまうため、しっかりと取り除いていきます。

ミソ取りは長時間の作業で根気が必要ですが、美味しさために1つ1つ丁寧に行います。


焼成

下処理が終われば、いよいよ鉄板での焼成です。
「四丁鉄板」と呼ばれる上下2枚の鉄板にえびを並べ、挟んで焼いてせんべい状にします。

16台ある四丁鉄板に1台12枚ずつ半身のえびを並べる「焼き係」が3~4名。
焼き上がったえびを鉄板からはがす「はがし係」が1名。
4~5名の1チームで順番に鉄板が開くように少しずつエビを並べ終えるタイミングをずらしながら焼き上げます。

 

半身のえびを鉄板にまっすぐ並べる、スピードと丁寧さが求められる大変な作業を、約1時間絶え間なく行います。

特に「はがし係」は、鉄板から素早くヘラでえびを剥がし、次のえびを並べるために油を鉄板に塗らないといけないため、力とスピードが必要な、なかなか大変な役割です。

鉄板が閉まる直後。
えびの香りをまとった蒸気が鉄板周りに漂う、なんとも食欲をそそる光景です。

 

車えびは素材そのものも綺麗ですが、焼き上がって真っ赤に染まった姿焼きも一枚一枚が芸術品と呼べる美しさ。

 

その後あられをつけて仕上げたら、 サクサク食感の姿焼きの完成です。


2019年にリニューアルして今の形になった「姿焼き」。

お菓子の美しさをそのままに伝えるため、桂新堂代表作品である「海老づくし」の包装紙には姿焼きの写真を使用しています。

こだわりと手間暇、そしてえびの旨みがギュッと詰まった姿焼き。
ハレの日の席やちょっと贅沢なおやつに、いかがでしょうか。